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旅行便覧 1956(昭31)年5月 中国旅行社 179mm×97mm 八つ折 |
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新時代の台湾 高度成長へ向けて 戦前の日本植民地時代、そして戦後の国共内戦を経て、台湾の立場は中国の西側諸国に開けた窓口としては香港以外に唯一という、国際的なものに大きく変化しました。これは、中国系旅行会社が発行した、台湾に関係ある交通機関の時刻表集です。発行元の会社は、他に同様な内容の香港版も出版していました。 国際路線では、東京や東南アジア方面への航空便のほか、珍しいところでは週一回の基隆−香港間の船便が紹介されています。この資料には、香港からの「美国総統輪船公司」(アメリカン・プレジデント・ラインズ)や、各社の欧州航路の出帆予定も紹介されています。 一方、台湾内に目を向けると、台北−高雄、花蓮等には航空便が就航し、鉄道では、座席指定制の「対号特快」やディーゼル特急(柴油特快)が台北と高雄という台湾2大都市を結んでいました。現在の所要時間4時間半にはおよびませんが、同区間に一日何十本もの航空便や列車が往来するような今日にまで至る、その後の交通の発展をうかがわせるような内容です。 以降、アメリカや日本製のディーゼル機関車や客車の導入が進み、鉄道は発展の途をたどります。 |
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当時の台湾国内航空路線は、復興航空公司と民航空運公司によって運行されていました。 復興航空はその後運航を中止し、機内食業務などを手がけていましたが、近年運航再開し、国際線にも進出しています。 台北−高雄間の西部幹線の鉄道時刻表。ディーゼル特急(柴快)は同区間を5時間半で走っていました。 しかし、他ははまだ蒸気機関車牽引であったため、台北−高雄間を丸々半日もかかっていたことが分かります。 |
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関連項目 南国の珍交通機関「台車」(台湾製糖埔里社軌道、1926年) 日本の台湾統治を支えた縦断鉄路(台湾総督府交通局鉄道部、1929年-1939年) 東洋の真珠−懐かしき香港(中国旅行社、1952年) 臨戦態勢の中で高度成長を続けた台湾鉄路(台湾鉄路管理局、1961年-1980年) 台湾国内線の発展前夜(遠東航空、1967年) 米中関係の激震の中で(中華航空、1972年) |
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