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焼跡の港町に響く汽笛−復活した憧れの太平洋航路 ミナトに吹き込むアメリカの香り 敗戦後の日本に、海からアメリカの風をもたらしたのは、アメリカン・プレジデント・ラインズ(A.P.L)の商船隊でした。使われていた船は、戦時標準船と呼ばれる、戦争中の輸送用に大量建造された貨物船やその改造客船ながら、歴代の米大統領名からとられた船名や、煙突に描かれた鷲のマークは、「憧れのハワイ航路」に象徴される、当時の日本人の海外への憧憬を象徴するものでした。 エコノミーな貨物船での旅行 船旅が主要な国際交通手段であった時代、貨物船は旅客も扱っていました。中央はA.P.Lの、旅客も扱う貨物船の運航スケジュール表です。客船に比べれば豪華な設備こそ無いものの、安くて気楽な旅が楽しめたようです。(運賃は、客船の最低クラスとほぼ同じ) 現在では貨物船も積荷によって専門化が進み、旅客の入る余地はなくなりました。 豪華な客船での船旅 A.P.Lの船の中で、最も日本人に馴染み深かったものは、客船"プレジデント・ウィルソン"と"プレジデント・クリーブランド"でしょう。戦後、日本郵船の客船「氷川丸」もシアトル航路に復活しましたが、ハワイ経由でアメリカ西海岸中南部を結ぶ航路は、A.P.Lのこの2隻の独壇場とも言えました。 右はA.P.Lのこれら客船の運航予定表、下段はその内部です。ちなみに、かつての交通公社の時刻表にも、その運航予定が掲載されていました。 1960年(昭35)の氷川丸の引退後も、A.P.Lの客船は長らく戦後の太平洋に君臨しましたが、1970年代になってジャンボ機が飛ぶようになると航空機には太刀打ちできず、幕を閉じました。 (時刻表の発行年月にリンクがあるものは、内容の一部をご覧になれます。) |
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1949(昭24)年6月 288mm×119mm 四つ折 |
1952(昭27)年4月 228mm×102mm 四つ折 |
1960(昭35)年8月 228mm×102mm 五つ折 |
1960年(昭35)の客船運航予定表より。 「PRESIDENT WILSON」と「PRESIDENT CLEVELAND」は特に、当時の日本人にとっては馴染み深い船名です。 太平洋を2週間で横断し、朝の横浜に入港。そして暮れなずむ頃に、マニラへ向けて出港していました。 |
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