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大英帝国を結ぶ航空の大動脈

本国から南へ・東へ
 19世紀までに世界各地に勢力を拡大した大英帝国は、20世紀に入ると植民地と本国を結ぶ交通・通信手段として、航空路網を広げました。その路線は、南アフリカとオーストラリアへの2方面がありました。
 これらは、運航に当たったインペリアル航空の時刻表です。左下がオーストラリア方面のもので、右下がアフリア方面のものです。

陽の沈まない帝国の落日前の輝き
 インペリアル航空の路線は非常に長距離な上に、沿線の気候差が激しいこともあり、区間毎に最適な機体が用意され、また内装も豪華で、戦前の国際航空の中では独特の存在感がありました。
 表紙には、地球がプロペラを回しているのか、プロペラが地球を回しているのか、とにかく気宇壮大な図柄が描かれています。しかし、数年後にはナチス・ドイツと戦いを交え、その後も各植民地の独立等、波乱の歴史が待っていました。
Imperial Airways 1936/03

1936(昭11)年3月
223mm×96mm 8頁
Imperial Airways 1938/04

1938(昭13)年4月
225mm×100mm 八つ折


南アフリカ方面への時刻表の一部。途中、夜間はホテルに泊まりながら旅を続けていました。
出発地のサウザンプトンは、大西洋航路の出港地として有名ですが、インペリアル航空の飛行艇も発着していました。
関連項目

欧州−東南アジア定期空路のパイオニア(KLMオランダ航空、1937年)
日出づる東洋へ−インドシナ空路(エールフランス、1938年)
さらば、大英帝国の空の玄関(モートン航空、1959年)
大型飛行艇の黄昏(RAI - Reseau Aerien Interinsulaire、1969年)
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