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さらば、大英帝国の空の玄関 小説の舞台にも 1959年(昭34)年9月30日18時30分、ロンドン郊外の飛行場から、イギリスの中小航空会社であるモートン航空のデ・ハビランド・ヘロン旅客機がロッテルダムに向けて飛び立ちました。機長は「ラスト」(Last)氏。まさに名前通り、この便はその飛行場を出発した最後の定期便だったのです。 飛行場の名前は「クロイドン飛行場」。第一次世界大戦当時に軍用飛行場として開設され、戦前はイギリスの空の玄関口として、アジアやアフリカに向けて「インペリアル航空」の長距離便が発着していた由緒ある土地です。推理小説作品『クロイドン発12時30分』や、アガサ・クリスティーの『雲をつかむ死』といったタイトルを出すと、ははぁ、と思われる方もいらっしゃるでしょう。 戦後になってヒースロー空港が開発され、大型機が主流になると戦前の小さな飛行場は手狭になり、ついにその半世紀近くの生涯を終えたのでした。跡地は工業団地に変貌しました。 クロイドン飛行場は、日本にとってもたいへん縁の深い土地です。1937年(昭12)年4月、朝日新聞のイベントとして東京-ロンドン間連絡飛行に挑んで見事に所要時間新記録を樹立した「神風」号の終着地であり、操縦士の飯沼正明と機関士の塚越賢爾はここで大歓迎を受けました。 |
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モートン航空のクロイドン発着時代最後の時刻表。右端の5便が、クロイドンの幕引きを務めました。 モートン航空はその後、ブリティッシュ・ユナイテッド航空に吸収されたため、現存しません。 |
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関連項目 大英帝国を結ぶ航空の大動脈(英国海外航空、1936年−1937年) |
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