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Air Polynesie 1969/11

TIME TABLE
1969(昭44)年11月
RAI - Reseau Aerien Interinsulaire
130mm×90mm 3つ折

大型飛行艇の黄昏

航空界の発展と主役交代
 戦前から戦後間もない時期にかけ、大陸間の移動手段として一時代を築いたのが大型飛行艇でした。パンアメリカン航空は北米から太平洋・大西洋横断路線を、イギリスのインペリアル航空は、英国からアフリカやオーストラリアへの路線を運航していました。
 しかし、航空機の性能が向上し、各地に飛行場が整備されると、飛行艇でなくても長距離路線の運航が可能となり、国際線用としての飛行艇は急速に第一線から退くこととなります。花形路線から退いた機体は、南太平洋の島々を結ぶ路線として生き残りました。

ポリネシアを終の棲家として
 ここに紹介する時刻表は、フランス領ポリネシアの島々を結んだ、RAI - Reseau Aerien Interinsulaire(島間航空路線網)のもの。同社は1958年(昭33)から、ショート・サンドリンガム飛行艇(第2次大戦中のイギリスの哨戒飛行艇として有名な、サンダーランド飛行艇の民間型。時刻表表紙を参照)を使用して、タヒチ島からボラボラ島などを結ぶ路線を運航していました。
 しかし、各島にも飛行場が整備されたことを受け、1970年(昭45)を最後に同機は引退。同型機がオーストラリアやニュージーランド近辺に残っていましたが、程なくして、旧き良き時代の国際航空路の香りを残した大型飛行艇はその幕を閉じました。

 ショート・サンドリンガム飛行艇は、現在、一機が、BOAC時代ゆかりのイギリスにある「Southampton Hall of Aviation」(サウザンプトン航空館)に保存され、一般見学が可能です。
 RAIはその後、エア・ポリネシアと名前を変えました。同社は、現在のエア・タヒチの前身です。


時刻表内部。「S25」と表示されている便が、サンドリンガム飛行艇を使用した便です。
同機は、BOAC(英国海外航空)時代の愛称から、「バミューダ」飛行艇とも呼ばれました。
タヒチ島のパペーテから、フアヒネ島・ライアテア島へ飛んでいました。
関連項目

大英帝国を結ぶ航空の大動脈(英国海外航空、1936年−1937年)
大戦前夜の太平洋を飛んだ「チャイナ・クリッパー」(パンアメリカン航空、1941年)
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