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電車時刻表 1936(昭11)年? 小田原急行鉄道 180mm×66mm 六つ折 |
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箱根行き・元祖ロマンスカー登場 モダニズムの時代を駆けたレジャー・トレイン 昭和10年頃は、大陸での日本の勢力拡大につれ、人やモノの流通が盛んになったり、社会の雰囲気が盛り上がったことで、不況からようやく脱しつつあった時代でした。人々の生活にも余裕がみられ、各鉄道会社は行楽客を対象に様々な特別列車を走らせ始め、旅客サービスの向上と増収に努めました。たとえば、今日では私鉄特急の代名詞とも言える「小田急ロマンスカー」ですが、ルーツはその頃にさかのぼります。 今日の私鉄特急を先取り 1936年(昭11)5月から、毎週土曜日のみながら、新宿・小田原間に「週末温泉列車」が運転開始されました。小田原急行鉄道(小田急)は元々、その線形やダイヤ編成で高速運転の実現を目指していた先進的な会社であっただけに、ノンストップ90分運転(新宿13:55発・小田原15:25着)で、しかも定員制を実施するなど、今日の私鉄特急の基礎とも言える列車でした。 小田急の箱根行き特急は、戦時中の1942年(昭17)早々に運転中止ののち、戦後は1948年(昭23)に復活し、今日のロマンスカーにつながります。 |
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左は、時刻表本文より駅名と「週末温泉列車」の時刻部分を抜粋。 「座席定員予約200名」とあるように、今日の予約定員制列車の先取りが見られます。 なお、帰路には日曜日のみ運行の、小田原19:30発・新宿21:00着の急行がありました。 (ノンストップではなく、主要駅停車) 上は、週末温泉列車の宣伝チラシ。(発行年月不詳) 描かれている電車は、当時この列車に使用されたモハ101形です。 |
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関連項目 世界的観光地・箱根への国際バス路線(富士屋自働車、1931年) 私鉄黄金時代−南海電車との激闘(阪和電鉄、1932年−1933年) 私鉄黄金時代−伊勢まいりの高速電車(大阪電気軌道・参宮急行電鉄、1932年) 温泉へは直通列車で(南海鉄道、1935年) 懐かしきレジャー全盛時代(日本観光沿線社、1961年) |
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