戦後日本の航空会社(全日本空輸)
日本航空に対抗しながら、国内全域で確固たる地位を築いた全日空の時刻表です。
中をひもとくと、朝の大阪空港を5分おきに飛び立っていく、西行便。
途中何度か寄港しながら目的地を目指すローカル便。
そこには、機械美と自然風土と人間の営みが織り成す、今よりも情感あふれる旅の風景が見えます。
1954年(昭29)春頃の時刻表は本館をご覧下さい。
日本ヘリコプター輸送
時刻表 1954年(昭29)8月


・旅客輸送を開始した年の夏の時刻表。裏面は運賃表。
・この時より東京〜札幌線(三沢経由)を開設。当初は札幌発三沢折り返し便もあった。
・東京〜大阪間の17便は、夜間郵便貨物専用便であった。

[この年…「第五福竜丸」ビキニ水爆実験で被爆、洞爺丸台風]
日本ヘリコプター輸送
時刻表 1955年(昭30)8月


・裏面は運賃表。
・前年秋から、同社の愛称が「日ペリ」となり、時刻表の表記にも反映された。
・同年4月から八丈島線、7月から小松線が運航開始された。

[この年…国産第一号ロケット発射実験に成功、羽田空港ターミナルビル完成]
日本ヘリコプター輸送
定期航空時刻表 1957年(昭32)4月


・表裏にそれぞれ日本語版と英語版を掲載。
・機種についての記載はなし。(DC-3、ヘロン、ダブが使用されていた。)
・東京〜大阪線を小倉まで延長し、西日本地域にも乗り入れが開始された。

[この年…ソ連が初の人工衛星打ち上げ成功]
全日本空輸
時刻表 1958年(昭33)6月


・表裏に、西行と東行をそれぞれ表示。
・「日本ヘリコプター輸送」と「極東航空」が合併し、「全日本空輸」成立直後の時刻表。
・夜間郵便貨物専用便が大阪〜福岡にも就航。
・この8月、下田沖に全日空機(東京発名古屋行の25便)が墜落。

[この年…狩野川台風で伊豆に大被害、ビジネス電車特急「こだま」号デビュー]
1960年(昭35)8月の時刻表は本館をご覧下さい。
全日本空輸
定期航空時刻運賃表 1963年(昭38)6月


・縦長サイズの四つ折。
・表紙は、おおば比呂司のイラスト。今や事実上絶滅のトキをデザイン。
・全便プロペラ機の時代の最終期。
・2年前の1961年(昭36)に、フォッカーF-27「フレンドシップ」が就航し。
 (表紙に描かれている機体)

[この年…国鉄鶴見事故、ケネディ大統領暗殺]
1964年(昭39)5月の時刻表は本館をご覧下さい。
全日空(全日本空輸)
時刻表 1970年(昭45)8月


・表紙は「つばさと共に」と題された、名機解説シリーズ。
 (イラストは同じく、おおば比呂司)
・ボーイング727/737の就航で、ジェット路線が増加。
・機内サービスでケーキが出る便があった。
・沖縄線はまだ国際線扱いであったので、ドル建ての運賃も表示されている。

[この年…日本万国博覧会、「よど」号ハイジャック]
全日空(全日本空輸)
時刻表 1972年(昭47)9月


・表紙は日本の祭りシリーズ。今回は、釧路の「ペカンペ祭」。
・東京、名古屋、大阪、福岡間に夜間郵便専用便が就航中。
・沖縄が本土復帰し、国内線扱いとなった。
・名古屋〜宮崎線に「フェニックス便」、名古屋〜札幌線に「アカシヤ便」の愛称があった。

[この年…沖縄本土復帰、日中国交回復]
1974年(昭49)5月の時刻表は本館をご覧下さい。
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