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PAN AM 1958/10 SYSTEM TIME TABLE
1958(昭33)年10月
PAN AMERICAN WORLD AIRWAYS
 (米)
230mm×105mm 47頁
大西洋横断に本格的ジェット機就航

「コメット」の失敗の裏で
 ジェット機の開発は、軍事分野での航空機開発という意味合いがあり、戦後のアメリカやソ連でも進められていました。その民間応用でもあるジェット旅客機は、1956年(昭31)9月にソ連がシベリア大陸横断路線に就航させ、アメリカに先んじました。ちょうど、イギリスが開発した世界初のジェット旅客機「コメット」が、構造的欠陥で飛行停止になり、改良を余儀なくされていた時代です。

初期のジェット機の決定版登場
 その2年後の10月に、パンアメリカン航空がソ連より大型のボーイング707型機をニューヨーク〜パリ〜ローマに投入し、ようやくながら航空分野での西側世界の面目はほどこされました。同機は、初めて乗客100人規模で、大洋を横断可能な機体で、後のジェット機の基礎となりました。パンナムに続き、世界各国の航空会社が、競って採用することとなります。

 これはまさに就航時の時刻表で、表紙も通常の月と違い、特別なデザインになっています。


「JET」と表示されたニューヨーク・パリ・ローマ間の114便がボーイング707初就航の便。
大西洋横断の所要時間は、ちょうど7時間であったことがわかります。
関連項目

流動する新・世界秩序を時刻表にみる(パンアメリカン航空、1947年)
世界初のジェット旅客機の登場と教訓(英国海外航空、1953年)
アメリカに先んじて就航したソ連ジェット(アエロフロート、1956年)
安息の地への直行便「R&Rフライト」(パンアメリカン航空、1969年)
ジャンボジェット世界の空へ(パンアメリカン航空、1970年)
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