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THE TRANS-SIBERIAN EXPRESS 1935(昭10)年? intourist (旧ソ連) 229mm×115mm 四つ折 |
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帝政ロシアの遺産を受け継いだソ連 「赤い国」の大動脈 シベリア横断鉄道は、帝政ロシアが極東へ勢力を拡大する戦略的な使命を帯びて建設されましたが、ロシア革命によってソ連の時代に変わってもその意義は衰えませんでした。同時に周辺の国々にとっても、極東と欧州を結ぶ最短経路として重要なルートであったため、関係各国の政府や旅行あっせん機関が集まった連絡運輸の取り決めの下で運営されていました。もっとも、戦前の利用者は、外交官や重要な使命を帯びた特権階層がほとんどだったようです。 これは、先に紹介したワゴン・リ社のものからやや後の時代に、ご当地・ソ連の国営旅行会社である「インツーリスト」が発行した、シベリア横断鉄道の案内です。正面に星のマークのついた蒸気機関車が疾走する、ダイナミックでカラフルなデザインが目を惹きます。パンフレットには、モスクワやレニングラードといった沿線の都市への観光を勧める紹介もありました。 当時の北満洲の中心地で、交通の要所であったハルビンからモスクワまでが丸々1週間、そこからベルリンまではさらに2日かかりました。 |
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日本からシベリア横断鉄道に接続するには、2つのルートがありました。 ハルビン・満洲里を通る満洲経由と、ウラジオストックからハバロフスクを通るソ連沿海州経由です。 |
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関連項目 激動の歴史を見つめた極東の十字路・ハルビン(東支鉄道、北満ホテル、1927年) 西洋と東洋を結んだ欧州の旅行産業(ワゴン・リ、1927年) 極寒をゆく大陸横断鉄道(ソ連国鉄、1962年) |
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