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西へのびる鉄道電化 蒸気機関車の煤煙からの解放 鉄道の電化は、スピードアップや輸送力の増強、特にトンネル地帯での快適性向上に有効です。長距離運転に関する電化は、1925年(大14)に東海道線の東京・国府津間での電気機関車運転から始まりました。東海道線の電化区間は徐々に伸び、1956年(昭31)に最後の米原・京都間の電化により、東京・神戸間の直通電気運転が可能となりました。 下左は、この機会に行われたダイヤ大改正を機に国鉄が発行した時刻表です。初の九州特急「あさかぜ」の登場など大きな話題が目白押しでしたが、この時、輸送水準はようやく戦前並に復興し、鉄路においても「もはや戦後ではない」という言葉が実現した記念碑的な改正です。 電車特急が山陽路へ長駆 下右は、山陽本線の広島までの電化を記念して、国鉄の中国支社が発行した時刻表です。電化はさらに西へ伸び、表紙を飾る新鋭「こだま型特急電車」による、東京・広島間直通の電車特急が初めて設定されました。時刻表によると広島まで、特急でも実に11時間の長旅だったようです。 他にもこの改正で、信越線の長岡から新潟までの電化も完成し、上野・新潟間に初の電車特急「とき」も運転開始しています。 国鉄は1955年(昭30)に電化調査委員会を設け、2期に分けて計10年間に、全国の主要幹線約3000キロを電化するという計画を策定しました。電化の投資に至らない区間ではディーゼル化が進められ、1975年(昭50)には本線上の完全無煙化が達成されました。 |
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1956(昭31)年11月 132mm×90mm 八つ折 |
1962(昭37)年6月 132mm×72mm 六つ折 |
1956年(昭31)11月19日の東海道線全線電化完成を記念して国鉄が発行したパンフレット。 この時、それまで茶色一色であった、特急「つばめ」「はと」の機関車と客車に、緑を基調とした新塗装が施されました。 表紙は、「青大将」と呼ばれたこの新塗装と、牽引機のEF58型電気機関車特有のヒゲ状の飾り帯をモチーフとしています。 |
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関連項目 東海道に特急復活(日本交通公社等、1952年) 東海道に「ビジネス特急」登場(日本国有鉄道、1958年) |
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