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東京からの 汽車時間表 1937(昭12)年3月 東京鉄道局 (鉄道省) 129mm×76mm 97頁 |
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「宅扱」が目指した鉄道貨物輸送のサービス向上 元祖・宅配便 「鉄道死語辞典」があるとすれば必ず取り上げられるであろう、歴史の中に忘れ去られたサービスが戦前に存在しました。その名は「宅扱」。運送会社が荷物の発送者の家まで集荷に向かい、高速専用列車で運んで宛先まで配達するという、今日の宅配便のルーツに当たるものです。 このサービスは、鉄道省と運送業者が連携し、「特別小口扱」という名称で、1927年(昭2)2月から開始されました。これは以下のような画期的特長があり、鉄道省はPRに努めていました。 ・従来の貨物運送は、駅への持込や駅留が必須であったが、集荷/配達を原則とした。 ・通常の貨物に比べ、低廉な運賃とした。 ・搭載列車を定め、特に迅速な輸送に配慮した。 貨物列車版・超特急「燕」 この時刻表の大部分は通常の旅客列車の時刻表ですが、表紙に宅扱の宣伝が謳われ、巻末の10頁が宅扱の紹介と貨物営業キロ/宅扱運賃表にあてられた、異色のものです。 中でも、同年2月より運転開始した、宅扱専用急行貨物列車の時刻表は珍しいものです。ストライプも鮮やかな大型専用車輌の編成が、汐留と梅田という東西の大貨物ターミナルを結んでいました。 宅扱は、戦時体制の中、1942年(昭17)3月に取扱が廃止されました。 |
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関連項目 鉄道が貨物輸送の主役だった(日本国有鉄道、1952年) |
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