戦前航空会社(海外の航空会社)
パンアメリカン航空 (米)
TIME TABLES 1936年(昭11)7月


・中南米方面の路線が中心。
・飛行艇による太平洋横断郵便路線を運航。
(旅客の取扱いを開始するのはこの年の秋から)
・中国大陸で「中国航空公司」を支配下に置き、北平(北京)・上海・重慶などへの路線を運航。

[この年…2・26事件、ベルリン五輪、日独防共協定成立]
パンアメリカン航空の1941年(昭16)の時刻表は本館をご覧下さい。
K.L.M オランダ航空 (オランダ)
SUMMER-SERVICE 1928. 1928年(昭3)4月


・現存する中では最古の航空会社といわれる。
・オランダ製のフォッカー双発機を使用。
・後に、当時オランダ植民地であったインドネシアまでの長距離路線が開設される。

[この年…中国が国民政府の下に統一達成]
ルフトハンザ航空の1936年(昭11)夏の時刻表は本館をご覧下さい。
ルフトハンザ航空 (ドイツ)
WINTER-FLUGPLAN(冬季時刻表) 1936年(昭11)10月


・表紙は高速旅客機、ハインケルHe111を描く。
(時期柄、同機は爆撃機への転用を考えて製作された機体。)
・当時、尾翼には鉤十字が描かれていた。
・内部は路線図形式の時刻表。
・西はリスボンから東はモスクワまで運航。
ルフトハンザ航空 (ドイツ)
SOMMER FLUGPLAN(夏季時刻表) 1937年(昭12)


・ベルリンからの各都市への連絡時刻を掲載。
・表紙はベルリンを象徴するブランデンブルグ門。
・上空をゆくのは、当時を代表するJu52型機。

[この年…ゲルニカ爆撃、日中戦争はじまる]
ルフトハンザ航空 (ドイツ)
Sommer-Flugplan(夏季時刻表) 1939年(昭14)4月


・第2次大戦前最後の時刻表。
・路線図式の全線時刻表のほか、ザールブリュッケン版として、同地から各目的地への連絡時刻表も掲載。
・表紙は当時の看板旅客機、フォッケ・ウルフFw200"コンドル"のシルエットをイメージ。
・同社は大戦中も運行を続けたが、終戦とともに解体された。
・ソ連乗り入れは中止され、東はヘルシンキ止まりとなっている。

[この年…第2次世界大戦勃発]
スイスエア (スイス)
Sommer-Flugplan(夏季時刻表) 1938年(昭13)3月


・中立国スイスの航空会社。
・左はアメリカ製のダグラスDC-3。
・右はドイツ製ユンカースJu86。
(大戦直前に米独両国の機体を使用している点が興味深い。)
・当時の目的地はパリ・ロンドン・ベルリン・ウィーンなど。
・中立国であったため、大戦中も運航を継続した。
・2001年に倒産した。
DDL (デンマーク)
Lommefartplan(ポケット時刻表) 1939年(昭14)4月


・1918年創立。正式社名は"Det Dnaske Luftfartselskab"。
・コペンハーゲンから欧州主要都市へ路線を広げる。
・表紙はフォッケウルフFw200コンドル4発旅客機。
・ドイツ以外で唯一同機を使用した会社。
・戦後はスカンジナビア航空の母体となる。
アラ・リットリア (イタリア)
ORARIO ESTIVO(夏季時刻表) 1939年(昭14)5月


・数社の航空会社が統合されて成立した会社。
・欧州内の他、東はイラクまで路線が伸びていた。
(イラクへは途中、ロードス島で一泊して2日の行程)
・表紙は、サボイア・マルケッティ SM.75型機。
・この時刻表は、大戦前最後のもの。
・大戦勃発とともに運航が困難になり、消滅の道をたどった。
そして、時代は大戦へと突入し、運航は維持されていたものの、空の旅は一般からほど遠いものとなった。
(一部の中立国では、敵同士の国の航空会社の機が、鉢合わせする光景も見られたという・・・)
世界の空に平和が戻るのは約五年を経てからである。
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