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Amtrak 1971/05

Nationwide Schedules of
Intercity Passenger Service
1971(昭46)年5月
Amtrak (全米旅客鉄道公社)
229mm×179mm 28頁

鉄道黄金時代の終焉

スピード時代に負けた鉄道
 20世紀前半まで、鉄道は陸上交通機関の中で、ほぼ独占的な地位にありましたが、戦後にこの状況は一変します。航空機や高速道路の整備は、旅客や貨物の鉄道離れを加速し、鉄道会社の経営状況は悪化の一途を辿りました。
 私鉄の集合体であるアメリカの鉄道界では、経営危機は倒産とサービス停止にもつながる切実な問題であり、この状況を回避する試みも行われました。しかし、旅客サービスの縮小による合理化や運賃値下げによる競争力強化では、根本的な問題解決にはならず、鉄道経営の枠組みに国家が手を入れなければならない段階にまで至ります。

旅客輸送再生の切り札として
 1970(昭45)年10月に「鉄道旅客サービス法」が成立し、不採算事業とされた各鉄道会社の旅客輸送サービスの一部が統合・国営化されることとなりました。こうして翌年に設立されたのがアムトラック(全米旅客鉄道公社)で、貨物鉄道会社が所有する線路を借りて旅客列車が走るという、日本と逆の構図が出現しました。これは、アムトラック運行開始時の第一号時刻表です。
 アムトラック発足により、各社が工夫を凝らした名門列車が鉄路を彩った時代は終わりを告げました。しかし、その後のあゆみは期待に反して厳しい状況が続き、今日では再編議論が起こっています。


時刻表の扉に掲載された社長挨拶。
旅客輸送再生への確信を謳いあげていますが、現実は厳しいものでした。




アムトラック発足時の路線図。この後、路線の改廃はありましたが、今日と大きな違いはありません。
ボストン−ニューヨーク−ワシントンを結ぶ北東回廊以外の大陸横断等の路線は赤字です。
関連項目

次世代の鉄道車両を目指して(ニューヨーク・セントラル鉄道、1956年)
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