"マンダリン・ジェット"がゆく(その6)
−民航空運公司資料館−


 CATの実像を物語る重要な事実を、時刻表に掲載されている営業所一覧に垣間見ることができます。

 日本にあった営業所は3箇所−東京・立川・大阪でした。立川営業所の所在地は「MATS Air Terminal Building」となっています。
 当時の立川には極東で最大の米軍基地の一つであった立川基地があり、そこの米空軍輸送部隊のターミナルビルに入居していたわけです。(漢字では「美軍基地大廈一七ニ四號」と書かれています。)


 立川には同社の一般旅客向けの便が発着していたわけではありません。
米軍と関係者のための軍用輸送や、旅行代理店サービスの提供がその役目でした。
基地の案内にも広告が
 右に紹介するパンフレットは、1960年代の立川基地の案内です。
 その中には、「MATS立川ターミナルのCAT営業所で米国内チケットを購入しましょう」と謳われていました。
(免税の上、手荷物の無料持込許容量が通常より多くなる特典があった。)

 下は、このパンフレット内部に掲載されている、立川基地の略図です。


中央上下に伸びる滑走路の左側、赤丸を記した建物が、同社の営業所があった、旅客ターミナルビルです。
(現在の陸上自衛隊駐屯地の南西角あたりに相当)

右下は立川駅、そこから左上に伸びるのは現・JR青梅線です。
立川基地は返還後、昭和記念公園や防災基地として活用され、基地時代の面影は薄れました。
CIAとの関係
 実はCATは、アメリカの情報機関であるCIA傘下の航空会社でした。普通の旅客輸送の一方、極東におけるアメリカの戦略の一端を担っていた、ミステリアスな存在でした。米軍基地に営業所があったこともうなずけます。

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