"マンダリン・ジェット"がゆく(その2)
−民航空運公司資料館−


国際線時刻表 【1959年(昭34)5月】と「翠華號」パンフレット

中央は、冒頭でも触れた、私が最初に発見した1959年(昭34)の時刻表。
"Civil Air Transport"の頭文字から"CAT"(キャット)となることがお分かりになるでしょう。
「翠華號」は、1958年(昭33)10月に登場した、DC-6B型機の愛称。
中華風デザインの極致
 山水画から今度は鳳凰と龍に絵柄が変わりました。また、上下のラーメンの器的な模様も目を引きます。

"マンダリン・フライト"
 使用機種からはC-46が消え、DC-4と新たにDC-6Bが加わりました。
 DC-6B型機での運航便は、"MANDARIN FLIGHT"と呼ばれました。「マンダリン」とは中国の王朝時代の高級役人のことですが、とことん中華風なこの会社のムード(今流に言えば"CI"でしょうか?)に似つかわしいキャッチフレーズです。

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「マンダリン・フライト」に使用されたDC-6B型機の機首には、金色の龍の絵が描かれていました。
期間限定の特別塗装ではない、定期旅客機の通常的な塗装としては空前絶後の派手さと思われます。
これはCATのトレードマークとして、のちに導入されたジェット機にも引き継がれました。
機内はファーストクラスとツーリストクラスの2クラス制。機内も同様に、黄金のきらびやかさが光ります。


搭乗券 【1959年(昭34)頃】

上の時刻表と同時代の、DC-6Bによる「マンダリン・フライト」の搭乗券。(左:表面、右:裏面)
機内配置図が描かれているのが、搭乗券としては珍しい。サイズは縦13センチ×横9センチ。
国際線時刻表 【1961年(昭36)9月】

ジェット機就航

 1961年(昭36)7月から、CATはコンベア880型ジェット旅客機を就航させました。1機のみの導入ながら、「マンダリン・ジェット」と名づけられた同機は、その機体塗装と内装があまりに中華風なことで注目を集めました。
 台北から東京・ソウルへ、また香港・バンコクへと、ほとんど全ての路線で龍の描かれた金色に輝く機体を見ることができました。

コンベア880型機について
 アメリカ製の中距離ジェット機で、同時期のボーイングやダグラスと比べると売れ行きが芳しくありませんでしたが、その高速性能と若干少なめのキャパシティーから、発展途上のアジアの航空会社でも日航・キャセイパシフィック・CATが使用していました。
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国内線時刻表 【1963年(昭38)9月】

 CATは、設立当時から台湾内の路線も運航していました。台北を基点に、花蓮・高雄・馬公といった主要都市を結んでいました。

ジェットも就航
 上で紹介した「マンダリン・ジェット」ことコンベア880も2週に1回、週末に台北・台南間に就航しています。(なぜ2週に1回という中途半端なスケジュールなのかは分かりませんが、定期検査のための回送で客扱いをしていたものではないでしょうか?)
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