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外国人に向けて発行された英文時刻表 Welcome to JAPAN 日本は、東洋の風情を感じられる国として、欧米人から注目されていました。そうした背景から、戦前の日本の鉄道省は、外国人観光客向けに、英文表記の時刻表を発行していました。掲載範囲は、当時の日本の支配圏であった、朝鮮半島や台湾、満洲にも及んでいます。 時刻だけでなく、本文中には各地名所のグラビアが挿入されていました。また、掲載路線に多少の省略はありますが、かなり多くの路線と駅について、時刻が掲載されていました。 |
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1935(昭10)年3月 184mm×127mm 240頁 |
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観光黄金時代の黄昏 下のものは日中戦争の勃発後の発行であり、戦時体制が強まっていった時代のものです。この頃になるとグラビアは姿を消し、省略される路線や駅がかなり増えています。 しかし、赤富士に鶴が舞う表紙デザインは、暗い世相からは想像も出来ない、趣に満ちたものです。これほど繊細な感性を備えた国が、戦火に破壊される道を歩んだことを思うと、何とも言えない悲しみを感じるのは私だけでしょうか? |
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1939(昭14)年2月 184mm×127mm 135頁 |
上段の昭和10年版と比較すると興味深い点がわかります。 列車名や駅名のローマ字つづりが、ヘボン式から日本式に変わっている点。 例えば、特急「富士」が"FUJI"から"HUZI"になっています。 これは法律により、1938年(昭13)にローマ字が日本式に統一されたためです。 |
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