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TIMETABLE 1963 1963(昭38)年1月 BRITISH UNITED AIR FERRIES (英) 229mm×102mm 7頁 |
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英仏海峡の空を車が飛ぶ ジャンボジェットにあらず 機首を大きく開けた飛行機に車が積み込まれる−こんな図柄が描かれた時刻表を見て、「ジャンボジェットの貨物機に、輸出される車が積まれているのだな」と思われるかもしれませんが、よく見ると左の方にはプロペラも見え、これはジャンボジェット機ではありません。 1950年代から60年代にかけて、イギリスと大陸の間には、大陸を自分の車で走りたい観光客やビジネスマンの為に、車とドライバーを一緒に飛行機に積み込んで運んでしまうという航空便が多数就航していました。この風変わりな便は「カーフェリー・サービス」と呼ばれ、今では歴史のひとコマとなってしまいましたが、戦後英国の民間航空史に欠かせない、郷愁を誘うエピソードです。 カーフェリー便に使用された代表的な航空機が、この表紙に描かれた「カーベア」(Carvair)でした。これは、ベストセラー旅客機であるDC-4/C-54を、アヴィエーション・トレーダー社が改造して誕生したもので(Carvairとは、"Car via Air"を合成した造語とのこと)、操縦席が2階にあるという、図らずも今日のジャンボ機を先取りしたような形状が特徴でした。機内のほとんどは5台分の車を搭載するスペースであり、最後部が運転者と同乗者のための小さな客室になっていました。 航空カーフェリーは「シルバー・シティ」「チャンネル・エア・ブリッジ」といった会社が主な運航会社でしたが、これらが統合されたのがここに時刻表を紹介した「ブリテッィッシュ・ユナイテッド・エア・フェリー」です。カーベアは、アイルランドのエア・リンガス等でも使用されましたが、やがてカーフェリーではなく普通の貨物機として使われ、ほとんどが既に引退しました。 |
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同社の路線は英仏海峡の対岸であるシェルブールから、もっと内陸のジュネーブまで広がっていました。 右上の枠囲み記事によると、バーゼル・ジュネーブ・ストラスブールがカーベアによる運航でした。 これは冬の時刻(赤字)と夏の時刻(黒字)が一緒に書かれており、夏は大増便されたことがわかります。 |
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