「時刻表歴史館」ホーム > 戦前黄金時代 > 熊野川飛行艇(1935)
Kumano Flying Boat 1935? 熊野川飛行艇御案内
1935(昭10)年頃?
熊野川飛行艇
179mm×115mm 二つ折
南紀の珍交通機関「プロペラ船」

飛行機から発想
 紀伊半島の熊野川には、「飛行艇」がありました。これは、船尾にプロペラを付けてその推進力で走る船で、「プロペラ船」とも呼ばれます。
 熊野川は川が浅く、スクリューが使えなかったために、大正初期に考案されたようです。当時は各地に飛行機の飛行を見せる巡業があり、そこで見た飛行機からヒントを得たという話があります。プロペラ船が登場するまでは、川舟に綱をつけて引いて2日がかりで川を遡っていたようです。
 瀞峡の遊覧船として有名でしたが、この時刻表には「逓信省御用船」として郵便船や貨物輸送の案内も掲載されており、地元の生活の足としても活躍していました。

 プロペラ船は昭和40年代初頭まで活躍しましたが、その後は水噴射で進む「ウオータージェット船」に代わり、今日では姿を消しました。
 上左は戦前の時刻表より。左端には「郵便船」も見えます。
 上右は、戦後の1950年代後半頃に発行された、プロペラ船の案内リーフレットの表紙です。風光明媚な熊野の山峡に、エンジンの爆音が響き渡っていました。
(目次に戻る) (サイトのトップへ)
(C) Copyright tt-museum 2001-2004. All rights reserved.